築地魚市場

築地魚市場は2018年に豊洲市場に移転しました。

旬菜料理 緒川(門前仲町)

本書のための資料集めをしていた頃、こちらのマスターに築地での仕入れに同行させてもらった時に撮った写真です。それぞれの魚の箱の上に乗っている紙には数字が書いてあります。それはその魚の1キロ当たりの値段です。
マスターは店の間を縫って、どんどん進んでいきます。選んでいるというよりは、目指しているものを探しているという感じでした。この日、マスターは「オスのシシャモ」を探していました。一般的にシシャモと言えば子持ちシシャモを焼いて食べるものだと思っていたので、オスというのは不思議だなと思いどうしてか聞いてみました。答えは「刺身にする」でした。ですから、形がそろっていて、きれいなものを探していました。後ろをついて歩いている私もそんな目で見始めると、確かに店によって、シシャモが違っているのが見えてきました。オスはありませんという店もありました。ある店で、きれいなシシャモがありました。値段は3500円。

「これ、きれいですね。形も揃っているし。」
「うん、でも高い。」

中には、「刺身にするんですか?」と、驚いているお店の人もいました。最終的に、もう少し安いのを見つけて、仕入れました。

いわゆる定番の刺身で出す魚を仕入れた後、マスターは市場の奥の方へ行きました。
ちょっと変わった魚を売っている店が多かったように記憶しています。

「何を探しているんですか?」
「う〜ん、XXさんに何かないかなと思って。」

この答えはとても興味深かったです。緒川には多くの常連さんが来ます。そして、マスターの頭の中には常連さんの好みがちゃんとインプットされていることがわかりました。小さいお店と常連さんの気持ちいい関係を見せてもらったと感じました。このお店の常連さんが持っている魚の知識もすごいです。

ざあっと築地の中を歩いて見た後の感想としては、私の目にはすべての魚が見事だったことです。さすがに、築地の魚はレベルが高かったです。今度は豊洲にも同行させてもらおうと思っています。(今は、入れてもらえないのかな?)

撮影協力:門前仲町 旬菜緒川
撮影:畑佐一味

2013年撮影

Column

番外編

江戸文化に造詣深い筆者による日本の食に関するコラムです。