饅頭こわい|二人小噺

饅頭こわい

A「何が怖い？」
B「私は長くて細いものが怖い。善助は？」
A「えーっと」
B「ほら、早く善助」
A「笑わないか？」
B「え？」
A「言っても笑わないか？」
B「笑わないよ。それで教えろ」
A「本当か？　本当に笑うなよ。俺は、俺は饅頭が怖い 」
B「饅頭ってあんこが入ってて、美味しくて甘いお菓子の饅頭かい？」
A「そう、お菓子の饅頭だ。う、怖い。饅頭って聞いただけで気分が悪くなるんだ」
B「善助はその美味しいものが怖いのかい？　じゃあたくさんの饅頭を買ってきて、寝てる善助の近くに置いたら面白いよね」
A「よく寝た、気分が良くなったぞ」
A「あ、怖い！　怖い！」
B「あれ、善助が全部の饅頭食べちゃった。饅頭が怖いって嘘だったのか。おい善助、本当に怖い物は何だ」
A「本当は熱いお茶が怖い」