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MetaLifeを授業活動に使ってみよう

パデュー大学名誉教授 畑佐一味 <khatasa@purdue.edu>

2020年のコロナ禍は急激なオンライン化を引き起こし、教育にもその波が押し寄せました。多くの大学でZoomに代表されるオンライン・ビデオシステムが導入され、オンラインコースの数も増えました。一方、企業の在宅勤務を支援するために普段の仕事場と同じような環境を仮想オフィスとして再現することを目的とした2Dメタバースと呼ばれるシステムが多く開発され、市販されました。以下はMetaLife社の仮想オフィスの例です。参加者はそれぞれアバターとして現れ、アバター同士が近づくとビデオがオンになり、会話ができるようになります。アバターといっしょに名前も現れるので、だれがどこにいるかを簡単に把握できます。ゲームのような感覚で、矢印キーやマウスのダブルクリックを使い、スペースの中を移動できます。また、メガホンという機能があって、参加者が自分のメガホンをオンにすると、位置に関係なく全員に声が届くようになります。

画像:MetaLifeから

MetaLifeには25人までは無料というプランがあり、語学教育の現場でも有効に使えそうなので、以下にいくつか例を示します。無料プランなので、いくつか制限はありますが、2Dメタバースを利用するための基本的な機能は使えるので、学生も教員もZoomに比べ、より主体的に授業やアクティビティーに参加できます。

これは「教育」というテンプレートを使って作った無料のスペースです。部屋の前にステージがあり、中心りAからFと印がついた六つの小さい部屋があります。部屋の両側にはGからLという印があります。AからFの部屋は中にいる参加者同士の声しか聞こえません。GからLはそばに集まって話をします。教員(あるいは、発表者)はステージの上に移動して、メガホンをオンにすれば、全員に向けて話すことができます。

全員に向けての発表だけでなく、各種ワークショップにも便利に使えそうです。以下、いくつか考えられる使い方を記します。

 

1. 自己紹介

初めて会う参加者同士が近づいて、自己紹介をし、教員の合図で、次々と相手をかえて自己紹介を行うというアクティビティーです。参加者はアルファベットがついている部屋に入るか、文字のサイン(G, H, Iなど)のまわりに集まるとお互いの声だけが聞こえるようになります。教員が合図をしたら、ペアのどちらかが次の部屋に移動するようにすれば、効率よくたくさんの人と話すことができます。

 

2. 全体と小グループでのディスカッション

Zoomのように全体とブレークアウトルームを行ったり来たりするのではなく、始めから別々の部屋に入ることができます。全員がメガホンおをオンにすれば、声を聞くことができます。ビデオも見られますし、パワポなどの画面共有もできます。そして、メガホンをオフにすれば簡単にグループディスカッションをすることができます。教員はそれぞれの部屋に移動することで、グループディスカッションに参加することもできます。そして、誰がどこにいるかを常に把握することができます。

 

3. 会話テーブル

授業外活動としての会話テーブルはよく使われます。小さい部屋にそれぞれテーマを与えて、同様の興味を持つ学習者が自由に話し合う場を提供することができます。(例、マンガ・アニメ、J-Pop、旅行、食べ物、歴史、など)

 

4. オフィスアワー(質問の時間)

教員が研究室に待機して、学生の質問を受ける時間をオフィスアワーといいますが、これをオンラインで実施することができます。

 

5. 登壇して発表

学校のテンプレートには真ん中に小さい部屋がなく、椅子がたくさん並んでいるスペースがあります。これを使うと、参加者には椅子に座ってもらって、発表者がステージの上で話すという状態を作ることができます。発表者はメガホンをオンにします。普通の学会の雰囲気を作り出すことができます。話をするだけなら、発表者はステージの上に移動する必要はありませんが、アバターが移動することで臨場感が味わえます。

 

無料プランで出来ることと出来ないこと

1 参加者25人まで無料 人数を超えると入れなくなりますが、セッションは継続できるようです。(実際この状況に遭遇したことがないので、どうなるかよくわかっていません。)
2 セッションの時間に制限はありません。 
3 参加者を制限するためのパスワードを設定することができます。
4 ワークスペースとして自分で作ったスペースは維持され、URLで入れます使用期限はないように見受けられます。
5 参加者はMetaLifeのアカウントがなくても、使えます。
6 スペースを自分でデザインすることはできません。すでに用意されている5つのテンプレートから選ばなければなりません。
7 ビデオ映像は一日40分に制限されています。40分を超えるとビデオはアバター表示になりますが、音声は続けられます。
8 参加者は全員画面共有機能が使えます。各参加者が自分の画面共有を使える時間は一日40分に制限されています 。
9 無料プランで作れるスペースの数には制限がないようです。

 

このようにMetaLifeの無料プランには制限もありますが、Zoomよりも、学習者がより積極的に参加する環境を提供してくれています。試してみる価値はあるのではないでしょうか?

例として私が作ったスペースのURLです。どなたでも入れるように設定してありますから、興味のある方は自由にお入りください。お友達も誘って複数人で試すことを推奨します。

「学校のサンプル」https://app.metalife.co.jp/spaces/z0zGP1wQ6bDr88EBzpKk

自分でスペースを作るには、MetaLifeへの登録(無料)をして、無料プランに入る必要があります。登録はgmailのアドレスを使うのが便利のようです。

そのためのURはこちらです。https://metalife.co.jp/

自分のスペースを作る時は「ワークスペース(継続)」を選んでください。「イベント(単発)」を選ぶと24時間しかそのスペースを使うことができません。

 

 

2026.4.20

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